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2008年度
アウトプット

ワークショップ・フロー

"Yokohama Epushiron City"――リサーチとブレーン・ストーミング、そしてプロジェクトへ

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このワークショップは大きく分けて3段階の構成で行われた。
[段階1] 横浜の分析――リサーチ
[段階2] 論点・コンテンツの抽出――分析・議論
[段階3] 戦略の提案――プロジェクト。いかにしてツーリズムの視点から横浜を捉えるか?

まず我々は、新港地区から山下埠頭地区間での海岸沿いを対象とし、様々な角度からの分析・他都市との比較検討を行った。そしてこれらのデータをパラメーターとして重ね合わせ、ブレーン・ストーミングを行うことで、横浜の持つツーリズムのポテンシャルとなり得る主要な要素(Main Argument)が存在しているのかを5つ抽出した。
 1. コスモポリタン
 2. 創造性
 3. 日本の玄関
 4. ウォーターフロント・ランドスケープ
 5. コミュニケーション・システムと技術

さらに、これらのデータと抽出された論点をもとに、これから横浜を動かしていく4つの主要な動力(Main Driver)を挙げた。
 1. クルーザー
 2. 会議・企業フェア
 3. 文化とイベント
 4. クリエイティブ・タレント

これらを踏まえ、3つの埠頭に対して横軸のネットワークをつくり、都市に対して埠頭を開くことで、ツーリズムが横浜を変え、動かしていく姿を提案する。

[段階1] ツーリズムにおける主要な要素の抽出

関内およびみなとみらい地区とその周辺は、様々な地域性・歴史的経緯・都市的な政策などが入り交じった実に複雑なコンテクストを持つ場所である。水際線を持つアジアの他都市との比較と50項目の調査データをパラメーターにすることによって、コスモポリタン、創造性、日本の玄関、ウォーターフロント・ランドスケープ、コミュニケーション・システムという5つの都市的な性質が浮かび上がってきた。これが横浜のツーリズムのポテンシャル、注目すべき論点「Main Argument」である。

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5つの都市的な要素
1. コスモポリタン
みなとみらい・野毛・関内・伊勢佐木町・中華街・寿町など、様々な歴史や文化が混在しており、海に対して垂直に伸びるペデストリアンと平行に走る複数の鉄道が、全体をつないでいる。
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2. 創造性
歴史的な建物やアーティストのためのオフィスなど、様々な創造的な施設が日本大通りや、馬車道に創造界隈として、海に対して垂直な軸線沿いに展開されている。
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3. 日本の玄関
横浜は、観光産業や文化などを海外から受け入れるためのゲートとしての歴史を持つ。現在の観光産業に関連した商業・飲食施設と、かつて日本の窓口として機能していた時代に入って来た歴史的資源が数多く存在する。
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4. ウォーターフロント・ランドスケープ
水際から連続した内陸への軸線やビスタポイントが都市に散りばめられている。商業施設や公共施設、文化施設などが混在し、ウォーターフロントのランドスケープとして様々なシーンがつくられていることがわかる。
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5. コミュニケーション・システムと技術
コミュニケーション・システムや技術力が介入してくる土壌として、横浜は優れたポテンシャルを持っている。ほぼ24時間動いている商業施設やコンビニ、建物の隙間(Sleeping Potential)などを活かす様々なサポートシステムが想定できる。
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[段階2] 分析・議論:提案する将来像とそこに向ける都市の主要な動力「Main Driver」

現在の横浜を訪れるツーリストの年間変動を日帰りと宿泊客で分けたもの、および外国人観光客数

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横浜の年間来訪者数

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提案する増加・安定した来訪者数

今回提案するのは、下図のように年間を通してツーリストの来訪を安定化させ、同時に国際的なツーリズムを強化するためのプロジェクトである。第2段階として行ったブレーン・ストーミングでは、リサーチによって得た横浜の気候、交通の状態やマッピングデータと、そこから抽出した主要な要素(Main Argument)等を整理し、本プロジェクトの主要な動力(Main Driver)を挙げた。

クルーザー:海外から積極的にツーリストを受け入れる玄関口としての役割を果たす。
会議・企業フェア:国際会議や大規模展示スペースを活かし、ビジネス交流の場を広げる。
文化とイベント:横浜に入ってきた文化、横浜から育った文化を評価し、年間を通しての祝祭都市とする。
クリエイティブ・タレント:高水準の技術力によって世界の知的生産力を引きつけ、創造的国際都市としての横浜を目指す。

そしてプロジェクト「イプシロン・シティ」では、これら4つの動力が横浜のポテンシャルをより発揮させていく場を提案した。

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世界規模でクリエイティブな人々を引き寄せる都市

[段階3] プロジェクト:イプシロン・シティ "y(イプシロン)"が都市をひらく・つなぐ

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それぞれの場が特徴を活かし、
ネットワークされ、
面的に広がり、
イプシロン・シティは強く様々なものを引きつける
横浜のアイデンティティを育てる

"y(イプシロン)"の持つ3つの意味
 y:横浜
 y:2000年付近に生まれた新しい世代。2000年は時代のターニング・ポイント
 y:このプロジェクトが横浜の市街地に描くライン

古くから横浜は交易・交流の場として産業を担う港「日本の玄関」として考えられて来た。そして21世紀、このゲートは新たなインパクトと共に、現状の様々なバリアに対しての突破口を持ちながら都市生活へと接続するだろう。横浜は様々な空間と魅力を持ち合わせているが、このポテンシャルは未だ充分に発揮されているとは言えない。そこで私たちは「イプシロン・シティ」プロジェクトを提案する。

「イプシロン・シティ」はこのワークショップ・プロジェクトの全体像であり、これからの時代のために現在の横浜のアイデンティティに加え、力強くダイナミックに、そして人々に親しまれる新しい「横浜」のイメージである。このプロジェクトは7つの敷地で構成され、外国人やクリエイティブクラスの人々がアクセスしやすい都市を創造する。私たちは現在横浜の優れた人材や水際線に着目し、より快適な公共空間とネットワークが必要であると考えた。そしてその発展のために3つの大きなテーマを挙げる。

 1. クリエイティブ・タレント:Yokohama Design
 2. レジャー:Cosmopolitan Leisure
 3. アーバン・ランドスケープ:Green Ipusiron

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プロジェクト_1. "y"イプシロン+クリエイティブ・タレント:Yokohama Design
海外からの玄関口としてのターミナル、文化・創造産業の拠点、国際的な都市間競争力強化のためのインキュベーション施設などによる山下埠頭再編の提案である。この提案は地形の操作によるランドスケープ的な手法と、建築とを一体に考えている。港湾機能に依存していた従来の海岸線はほとんど一般の人が入ることができなかったのに対し、連続する丘によって交通動線を確保しながら各施設を収め、開かれた海辺空間としてアクセス可能にする。

各施設とは、埠頭先端に土地の容積的なポテンシャルを最大限に活用することと、これからの都市に必要とされる都市間競争力の育成を目的としたインキュベーション施設を中心とする新しいランドマークとしての高層建築や、文化・創造産業や先端テクノロジーのオフィス・研究所・展示場・学習施設および関係する集合住宅、ターミナルと商業施設などであり、それらの活動を展開できる連続する丘には誰でも入って来ることができ、既存市街地とも連続している。

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全体パース

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平面図・プログラム

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内観パース


プロジェクト_2. "y"イプシロン+レジャー:Cosmopolitan Leisure
新港ピアを拡張し、大きな都市型イベントを可能にする海辺の場を提案する。調査から、横浜には観光客の宿泊滞在が不足していると考えられた。大きなイベントが行われることで、観光客が横浜を長く楽しむことができ、またこれまで以上に多くの観光客を呼ぶきっかけにもなる。

敷地の新港ピアはみなとみらい地区の中心にあり、海に最も近い場でもある。海との関係を活かした大きなイベントができる新しいかたちに埠頭を変化させることを考えた。現状の埠頭の形状を活かした新たな四角い形状を仮定し、いくつかの溝をつくる。小さな埠頭が連結して大きな埠頭をかたちづくるユニークな形状ができた。いくつかのハードビーチとボートハーバーにより、水面のイベントも可能になる。中心には大きなドームがあり、全体のサポートの役割をする。関内地区からの道路を延長して、バス交通とサイクリング・ロード、遊歩道を計画し、埠頭の先には水上バス乗り場を配置する。それらの交通網により、横浜の他の地域との連携を図った。

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新しい埠頭のかたち

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様々なイベントが開かれ、交通網がネットワークされる

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海と陸が一体となって使われる


プロジェクト_3. "y"イプシロン+アーバン・ランドスケープ:Green Ipusiron
みなとみらい、関内地区を中心としたウォーターフロントを既存の都市機能を保持したまま一体的に開発する計画である。現状のウォーターフロントには様々な特徴を持った地区が混在しているが、それらは相互の関係性を持っていない。また周辺には臨港パークや山下公園、横浜スタジアム、大桟橋といった良好なパブリック・スペースが存在しているが、それらもまた無関係に存在している。

これらのパブリック・スペースを新たな開発によってつなぎ、新しい都市インフラを提案する。新しい都市のパブリック・スペースをつなぐインフラを、「Green Line」と名付けた。「Green Line」とは、遊歩道とサイクリング・ロードが一体となったインフラである。サイクリング・ロードが十分に活かされるように、「Cycle Station」を75mおきに配置している。

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全体パース

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