本ワークショップは、Y-GSAワークショップ1(2008)「Multi_Ramblas YOKOHAMA」に関連して、Y-GSAおよびカタルーニャ工科大学 [UPC] Intelligent Coast研究室の教授とその学生、さらにバルセロナの都市の研究者である岡部明子氏と千葉大学岡部研究室の学生が参加して行われた。
サイト:ランブラス通り(バルセロナ)
海外の都市をフィールドワークし、現代の都市が抱える問題をグローバルに考える。
Intelligent Coastがテーマとして掲げている、地中海・バルセロナにおける「ツーリズム」の研究は、現在の横浜市が抱える課題のひとつである。政治・経済・文化・環境という視点から、都市が発展する上で考慮すべき課題を、ワークショップを通して考察することは、日本において都市をデザインしていく上で、重要なプロセスである。
バルセロナの都市デザインを通じて、横浜の未来の都市デザインを考える。
バルセロナにおける様々な文化的プロジェクトを3つに分けると、創造的な都市開発、継続的に開催される創造的なイベント、世界水準で活躍するクリエイターたちによる創造的産業となる。それらは、横浜市が今日進めている都市戦略と合致する。文化的機能の導入の成果、ここ15年間で4倍に急増した観光客数、総合政策として、文化政策と他の政策が関係性を持つ、バルセロナの都市戦略を研究する必要がある。
横浜とバルセロナという類似する2都市を分析・比較し、それぞれの都市戦略と行き先について論議することで、横浜市の掲げる「クリエイティブシティ構想」への理解を深めることができた。そして今後、その成果がスタジオ課題へと引き継がれていくことは、都市的なツーリズム戦略をつくり上げていく上で、大変重要であると言える。私たちは今回の連続したふたつのワークショップを通して、横浜の都市の未来像をより明確にするための新しい視点を得ることができた。
コンセプト
バルセロナは様々な文化遺産や建築、文化やアーティストを抱える、実に個性的な都市である。多くの書籍・映像・アートに刻まれて存在を不朽のものとする一方で、その実体は絶えず生まれ変わっていく。バルセロナにおける都市計画・都市デザインの政策上の主軸は、パブリックスペースにある。そこで行われる様々なイベントを材料とする「劇場都市」は、アーティストや観光客を惹きつけてやまない。そして今、バルセロナを情報社会の最先端に留まらせ、さらなる生産的・文化的な活動を誘発し、新しい才能と知識社会を魅了するために、そのツーリズムの戦略を更新する時が来たのである。
今回、バルセロナで最も重要な観光地のひとつであるランブラス通りの役割とアイデンティティの再考を、Intelligent Coastが依頼された。その契機となったのは、都市構造と都市全体の観光戦略におけるランブラス通りの位置付け--その魅力の発見と、都市の再編に向けた新たな方向付け--である。
○ランブラス通りを、バルセロナにおける既存のパブリックスペースのネットワークに組み込むにはどうすれば良いのか、観光客と住民の流動から考える。
○市民にとってのランブラス通りの存在と、観光あるいは商業の場としてのランブラス通りの役割をどう調整するのか?
○都市交通の結節点およびウォーターフロントという立地の利点を活かしながら、エスパーニャ通り一帯を新たな音楽文化育成の拠点として、どのようにリデザインするのか?
プロセス
ワークショップでは分析と考察、提案作成のプロセスを各段階に分けて設定した。
本ワークショップの成果は、Intelligent Coastと世界各国の大学機関との協働によるその他のリサーチと共に、展覧会『Tourism: Spaces of Fiction from the center of the Museum of Design of Barcelona (CMDB)』にて発表する予定である。