1992年、「ヨコハマ・アーバンリング展」が開催された。この展覧会は、横浜市が主催となり、都市デザインの重要性を国内外にアピールすることを目的として開催した「ヨコハマ都市デザインフォーラム国際会議」の一環で、横浜港を円形に囲む地域を「アーバンリング」と名付け、伊東豊雄やレム・コールハースら国内外から選ばれた8人の建築家・芸術家たちが、2050年を想定した都市機能やネットワーク・システムの提案を行なったものである。彼らが示した共通のコンセプである「産業構造の変化に伴うヨコハマのウォーターフロントの市民への開放」は、時代にインパクトを与え、後の横浜の都市形成の過程に足跡を残していくこととなった。
月日は流れ2007年、横浜。1992年当時は建設途中であったランドマークタワーも建設され、赤レンガ倉庫、大桟橋国際客船ターミナルなどがウォーターフロントに親水空間として整備され、15年前に建築家たちが描いた未来の断片が、現実のものとして我々の目の前に建ち現れている。また横浜市は新たな都市ビジョンとして「文化芸術創造都市--クリエイティブシティ・ヨコハマ」を示し、BankARTや東京芸術大学大学院映像研究科のサテライト校舎の設置など、芸術文化の育成に力を入れることで横浜の未来を切り開いていこうとしている。
Y-GSAでは、スイス連邦工科大学(ETH Zürich)の大学院生と共に、「Harbor City──水際から考える横浜港湾地域の未来像」をテーマとして掲げ、横浜港湾地域の水際エリアの都市と建築のデザインを提案する夏期ワークショップを行なった。両校混成の6グループに分かれ、11日間で横浜という都市の変遷を辿りながら、現在横浜市が抱える問題を調査・分析し、都市・横浜の20年後の未来を描いてみせるプログラムである。