
November 8, 2011 11:00 PM | Category:
2011年度後期飯田スタジオが始まりました。設計助手は大西が担当します。課題は「関内」です!
「飯田スタジオ」最後の課題は「関内」である。4年前、黄金町ガード下一帯を最初の課題としてスタートして以来、横浜の様々な地域を対象にしてきたが、今回丁度ひと回りするかたちで、最も横浜らしい地域である「関内」を取り上げる。「関内」は周知のように150年前に出島として開港した横浜発祥の地である。開国と共に諸外国の商館が居並び、生糸など日本の特産物を扱う商店などが多数集まり、人々が忙しく動き回る、砂州を埋めたてた人工島は、新しい日本を象徴する全く新しい都市の歴史を生き始めた。その後政治、経済、文化の中心として長い間横浜の発展を支えてきたが、生産、流通、情報等世界のパラダイムの変化に伴い、特に集積するハードウェアが限界に達し、かろうじて政治の中心は維持しているもののいわゆる中心市街としての衰退は否めない。しかしながら、歴史の変遷と共にこの街を微細に観察すると、開港から始まる都市の変化が興味深く見てとれるし、150年というそれほど長くない時間でありながら、近代という激しく、又加速度的に変化する時間の中で、その振幅に対応しつつかたちを変えて適応する生物のような進化の過程を見てとることもできる。特に、生産、流通、居住、商業に関わる変化は「関内」の中に特徴ある領域を様々に生み出した。というより、現在も変化は進行中であり、近年特に資本を含めた民間活力の減少に比べ、行政による都市政策の影響が著しい。それはとりもなおさず都市力の衰退を意味することに他ならないが、一方で例えば創造都市政策のように都市資産を逆手にアートを呼び込み、それをテコに活性を図る、地道な活動が次第に定着してきている様子も見てとれる。私たちは、この街を微細に観察し、150年の歴史をもう一度おさらいしながら、一見中心市街としての役割を終えたように見える「関内」を発見的に調査し、新たな文脈の中にもう一度位置づけ、これからの「関内」を想像力豊かに描き出したい。
今回、全員で調査、分析した後、ありうべきビジョンを議論し、全体像を描くことを試みる。次に、各自そのビジョンを実現するためのシナリオを元に具体的な計画を提案する。例えば次のような視点。
・大震災を受けて、これまで余りかえりみられなかった、津波を含む災害に対し、都市防災を軸に徹底して考える。
・戦後大量に作られた耐火下駄ばき集合住宅が老朽化を迎えている。区分所有法がなかった時代、権利関係が複雑なため建て替えもままならない。この住宅を新しい都市居住のあり方に重ねて考える。
・特徴ある街の境界を考える。
等々。
対象を「関内」とするが、隣接する「関外」「みなとみらい」「山手」等「関内」を捉え直す方法論の組み立てに必要な周辺を含んでもかまわない。例によって最初に全員で調査することから始め、最後は関内で発表する。
Permalink | Posted: Maki Onishi