20世紀後半、情報革命といわれる世界のグローバル化によって、それまで営々と築かれてきた都市システムはことごとく機能不全に陥った。それでも、地域社会を建築資産として残してきた西欧諸都市は、再びコンパクトシティの概念を実践し、徐々に復活しつつある。一方、そのほとんどを自ら破壊してきた日本の都市では、相変わらず出口の見えない状況が続いている。横浜も同様にグローバル化の大波をかぶって右往左往しているが、まだまだ死んではいない。それは、都市を構成する「地域」が、変質を重ねながらもしぶとく生き永らえているからに他ならない。
飯田スタジオでは、この「地域」を取り上げる。つまり、身近な現実世界を見ることから始める。地域に入り、フィールドワークを試みながら、これからの建築の可能性を探っていく。ノンフィクショナルな世界に先んじて、建築を生み出すためのフィクショナルなストーリーを発見的に導き出すことが課題である。