
October 10, 2008 11:24 AM | Category: 授業
2008年後期山本スタジオが始まりました。
助手は日野が担当します。
課題文を以下に掲載します。
皆さん、気合い入れていきましょう。
2008年後期 山本スタジオ
「地域社会圏」モデル
20世紀の都市は居住のための都市として構想されたわけではない。その中心は経済活動を活性化させるための場所であった。中心に商業施設、その周縁に住宅地という風景が最も見慣れた近代都市の風景である。
そこでは、ひとつひとつの住宅は極めて孤立的である。その孤立の形式は単純である。一つの住宅を極めて高い独立性を持った単位と見なす。つまり、一つの住宅は他の住宅と相互に関わりを持たない。それが基本的な形式である。相互に関わり合いを持たない住宅は、その配列の原理を持つことがない。つまり「集合の形式」を持たない。
私たちは未だに都市に居住する、その居住原理を発見していない。都市の本来の主人であるはずの、その住人たちのための空間を発明していない。
本来、都市は住むための場所である。居住のための場所として都市を再構築するにはどのような手だてがあるのか。
ひとつの住宅は他の住宅とどのように関わるのか、どのようなコミュニティーのシステムを考えるのか、高齢者や子供たちは都市の中のどのような住人なのか、どのようなサポート施設が想定されるのか、等々。都市の住人はどのような生活基盤によって支えられているのか。
この生活基盤を具体的な空間において考える。それを「地域社会圏」と呼ぶ。私たちが住むに相応しい「地域社会圏」とはどういうものか、そのモデルを構築する。
具体的な内容として以下のような項目を検討し、新しい都市のあり方を考えています。
1.住戸ユニット・集合形式
・閉鎖的にならないような住宅はどのような住宅か。住宅が相互に関係するためにはどのようなプランニングが可能か。それはどのような集合の形式をもっているか。
2.交通
・大量輸送機関あるいは車などの都市間交通に加えて、化石燃料を使わない例えば電気自動車のような地域内を自由に移動する交通システム(地域内交通)を導入した場合、都市のあり方、住宅のあり方、人の生活スタイルはどのように変化するだろうか。
3.エネルギー
・どのような単位を想定してエネルギー供給することが最も効率が良くなるのだろうか。
・供給・受給の単位として、どれくらいの規模の単位が想定できるだろうか。
4.防災
・防災のシステムと地域全体のゾーニングとはどのように関係するのだろうか。
5.高齢化・少子化
・今後予想される少子化高齢化社会において、高齢者や子供をどのようにサポートしていくのか。彼等はどのようにその地域社会に参加するのか。
6.ヘルパー
・高齢者の介護、病人の看護、幼児の保育、それ以外にも日常の生活をサポートする“地域内ヘルパー”を前提とした場合、住宅やそこでの生活スタイルはどのように変わっていくのだろうか。
・ヘルパーの適正人数はどのように設定することができるか。
・その運営コストはどの程度を想定するか。
7.セキュリティー
・ゲーテッドコミュニティーに依拠しない都市のセキュリティーシステムを考えることはできないだろうか。
・高密度を利用したセキュリティーシステムは考えられないだろうか。
8.パブリックファシリティ
・パブリックファシリティとしてストックヤード、銭湯、ランドリー、スタジオ、ライブラリー、工房等を想定した場合、ひとつひとつの住宅はどのように変わるのか。
9.管理費・諸費用
・パブリックファシリティの管理費はどのように算出されるのだろうか。
・そのときに、住宅のコストはどの程度になるのだろうか。
10.自然環境
・採光、通風、眺望、庭との関係、緑との関係等、自然環境に対する新しい基準を設定できないだろうか。
11.ゴミ
・新しい都市のあり方や住宅のあり方、ライフスタイルを考えることによって、ゴミの排出量削減や再利用を誘導していくことはできないか。
12.地球温暖化ガス
・地球温暖化ガスの排出量を削減のためには、どのような都市であるべきなのか。どのような住宅のあり方やライフスタイルが考えられるのか。
Permalink | Posted: Masashi Hino