
August 20, 2009 12:10 AM | Category: 山本
仲さんの指摘のように、400人程度という「地域社会圏」の人数に特に根拠があるわけではない。仮に、400人程度という数字が与えられたら、どのような「地域社会圏」が可能か、という逆向きの思考方法である。400人を一単位としたらどのような空間が考えられか、という思考方法は私たち建築家にとって実は馴染みの方法なのである。仮に4人家族程度を一単位としてその住み方を考えるとしたら、という仮説を与えられて、その空間単位を住宅と命名して、「1住宅=1家族」の空間を考え出したのは私たち建築家である。それを考え出したとたんに、それが前提になって今の社会のシステム(国家運営のシステム)がいつの間にか決まってしまった。「建築は仮説に基づいてできている」(拙著、住居論を参照してください)のである。もともと根拠なんてないのである。でも、それができあがってしまったとたんに、その仮説がいかにも根拠のあるように見えてしまう。それが建築という有無を言わせない社会的暴力なのだ、というのが私の意見なんだけれども、多くの人たちはその建築の無根拠性に気がつかない。だからその暴力性にも気がつかない。
というわけで、400人に根拠がなくても、まずそれで空間化してみる。勿論、試行してみて修正はされるだろうけど、それでもその根拠が証明されるわけではない。それでも空間化する。「1住宅=1家族」でやってみたことを「地域社会圏」という形でやってみる、「1住宅=1家族」と「地域社会圏」、それを相互に比較することが重要なのだ。「地域社会圏」モデルは「1住宅=1家族」システムの検証でもあるのだと思う。
Permalink | Posted: Riken Yamamoto