April 10, 2010 1:39 AM | Category: 山本

山本です。建築の側から考える

「地域社会圏」という考え方は建築の側から今の社会全体を考えてみようという試みである。今のところ建築は社会的なインフラのせいぜい部品でしかないという考え方が支配的であるように思う。そこに建築家不用論の根拠がある。インフラが整備されればほぼ自動的にその部品である建築の枠組みも決定される、という考え方になるわけである。でも、アレントのいうように「世界は物によって構成されている」のだとしたら、逆に、建築の側からその社会インフラについて考えるという逆方向の考え方も十分あり得るはずなのである。社会インフラというのは、様々な社会制度やあるいはエネルギーや交通や経済活動のことである。社会インフラと建築とは一方が全体的な骨格で一方がその部品であるというような関係とは全く違う。相互に影響しあっているのである。どこまでが全体でどこまでが部品なのかその関係が相互の乗り入れている。あるいはその相互関係によって何が全体で何がその部品なのかが決定される。たとえば、1920年代の「1住宅=1家族」という建築の形式がその時代の社会インフラのあり方を決定的にしてしまったというようなことは常に起こりえるのである。
「地域社会圏」という建築の形式を提案することによってその社会インフラはどのように描くことができるのか、という問いは、今までとは全く逆側からの思考なのであると思う。

| Posted: Riken Yamamoto

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