地域社会圏

20世紀の都市は居住のための都市として構想されたわけではない。その中心は経済活動を活性化させるための場所であった。中心に商業施設、その周縁に住宅地という風景が最も見慣れた近代都市の風景である。
そこでは、一つひとつの住宅は極めて孤立的である。その孤立の形式は単純である。一つの住宅を極めて高い独立性を持った単位と見なす。つまり、一つの住宅は他の住宅と相互に関わりを持たない。それが基本的な形式である。相互に関わり合いを持たない住宅は、その配列の原理を持つことがない。つまり「集合の形式」を持たない。
私たちは未だに都市に居住する、その居住原理を発見していない。都市の本来の主人であるはずの、その住人たちのための空間を発明していない。本来、都市は住むための場所である。居住のための場所として都市を再構築するにはどのような手だてがあるのか。
一つの住宅は他の住宅とどのように関わるのか、どのようなコミュニティーのシステムを考えるのか、高齢者や子供たちは都市の中のどのような住人なのか、どのようなサポート施設が想定されるのか、等々。都市の住人はどのような生活基盤によって支えられているのか。
この生活基盤を具体的な空間において考える。それを「地域社会圏」と呼ぶ。私たちが住むに相応しい「地域社会圏」とはどういうものか、そのモデルを構築する。

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